テレワーク用デスクライト比較――目の疲れと持ち運びやすさで選ぶ

デスク環境
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デスクの照明は、椅子やモニターほど注目されないわりに、夕方以降の作業効率を静かに左右します。私は東京と大阪の二拠点で仕事をしていますが、どちらの部屋も天井照明だけで済ませていた時期があり、モニター作業を続けると夜だんだん目がしょぼしょぼしてくることに気づきました。

結論から言うと、二拠点ワーカーがデスクライトを選ぶときの分かれ道は「据え置き型を拠点ごとに置くか」「軽い1台を新幹線のバッグに入れて持ち運ぶか」の二択です。そしてどちらを選ぶにしても、照度・演色性(Ra)・色温度・ちらつき(フリッカー)という4つの数値をカタログで確認できるかどうかが、製品選びの分かれ目になります。

この記事では、モニターに掛けるタイプ・据え置きの高照度タイプ・折りたたみの充電式タイプという3方向の製品を代表例として取り上げ、二拠点ワーカーの視点とIT品質規格(QA)の視点から、それぞれの向き不向きを整理します。なお、私自身はこれらのデスクライトを所有していないため、実使用レビューではなく公開スペックに基づく比較・視点提供という位置づけで書いています。

結論

拠点ごとに常設して快適さを重視するなら、照度・演色性・JIS規格を明記した据え置き型。荷物を増やしたくないなら軽量な折りたたみ充電式1台を持ち運ぶ。中間解として、モニターの上に掛けて天板を占有しないタイプもあります。

二拠点のデスクにありがちな「明るさ」の悩み

在宅ワークの照明は、天井の1灯だけで済ませている人が意外と多いです。天井照明は部屋全体を均一に照らす設計なので、手元の書類やキーボードの細かい文字を見るには光量が不足しがちです。

二拠点ワーカーの場合はさらに厄介で、東京・大阪それぞれの部屋の照明環境が違うことがあります。片方は日当たりが良く昼間は困らないが夜は暗い、もう片方は蛍光灯で色味が青白い、といった具合です。

実は東京・大阪どちらの部屋も、今は天井照明だけで済ませています。夜間や曇りの日でも、パソコンでの作業であれば特に見えづらさを感じたことはありません。個人的には、天井照明だけで十分だと感じているのが正直なところです。

デスクライトの「目の疲れにくさ」はカタログのどこを見ればわかるか

品質管理の仕事をしていると、「疲れにくい」「目に優しい」という言葉そのものより、その根拠になる数値がカタログに書いてあるかを先に見る癖がつきます。デスクライトなら次の4つです。

  • 照度(ルクス): 手元がどれだけ明るいかの目安。JIS(日本産業規格)はデスクスタンドを照度の基準でA形・AA形に分類しており、AA形の方がより広い範囲を明るく照らす基準になっています。
  • 演色性(Ra): 光が物の色をどれだけ自然に再現できるかを示す指標。数値が高いほど、書類の文字や画面の色が自然に見えやすいとされます。
  • 色温度(K): 光の色味。低いほど暖色(オレンジ寄り)、高いほど白〜青白い光になります。作業内容によって好みが分かれる部分です。
  • ちらつき(フリッカー): 目に見えないレベルで光が点滅する現象。低品質なLED製品で起きやすく、疲労感の一因になり得るとされています。

この4つを具体的な数値で明記しているメーカーは、それだけ製品への説明責任を果たしていると私は考えています。この「スペック表記の具体性で品質を見抜く」という考え方は、別記事「IT品質規格者が教える『本当に品質が高いガジェット』の見抜き方」でも詳しく書いていますので、あわせて参考にしてください。

注意

本記事で紹介する照度・演色性・重量などの数値は、各メーカーの公式サイトに記載された公称値です。実際の見え方は設置距離や部屋の明るさにも左右されます。

据え置き2台 vs 折りたたみ1台を持ち運ぶ――二拠点ワーカーの判断フレーム

デスク環境全般に言えることですが、二拠点ワーカーの投資判断は「拠点ごとに2つ買うか」「1つを持ち運ぶか」に集約されます。この考え方は、デスク環境の初期費用プランをまとめた別記事「二拠点に同じデスク環境を作る初期費用」でも整理した通りです。

デスクライトの場合、据え置き型のメリットは光量・演色性ともに余裕のある製品を選びやすいこと。一方でコンセントに固定されるため、拠点ごとに1台ずつ用意する前提になります。

折りたたみ・充電式タイプは荷物が増える代わりに、どちらの拠点でも同じ光環境を再現できるのが利点です。ただし内蔵バッテリーの製品は、据え置き型に比べて最大光量が控えめな傾向があります。

デスクライトを選ぶなら、私は据え置き型を拠点ごとに2台用意したい派です。持ち運びだと充電を忘れたり本体自体を忘れたりするリスクが高まりますし、二拠点生活では荷物をできるだけ増やしたくありません。また私にとっての価値は目の疲労軽減よりも、Web会議でカメラをオンにしたときに表情がはっきり見えることなので、角度が固定される据え置き型の方が合っていると感じています。

タイプ別に比較する3つのデスクライト

ここでは代表的な3タイプを、それぞれ実際の製品を例に比較します。いずれも私自身は未使用のため、公開スペックとIT品質規格者としての視点でまとめています。

項目モニター掛け式据え置きJIS AA形折りたたみ充電式
代表例BenQ ScreenBarPanasonic SQ-LD560汎用 USB充電式デスクライト
重量約620g非公開(メーカー未記載)非公開(製品により差)
演色性(Ra)Ra≧95非公開非公開
JIS規格表記なし(独自基準)AA形なし
電源USB給電(据え置き想定)AC電源+USB出力(0.5A)内蔵バッテリー(USB充電)
天板占有ほぼゼロ(モニター上部)あり(土台が必要)あり(コンパクト)
向く人天板が狭い・配線を増やしたくない人広い範囲をしっかり照らしたい人二拠点を1台で済ませたい人

モニター掛け式――天板を占有しないタイプ

クランプもスタンドも不要で、モニターの上部にバーを掛けるだけで設置できるのがこのタイプの特徴です。BenQ ScreenBarはメーカー公表値で演色性Ra95以上、中心照度は40cm地点で900ルクス、色温度2,700K〜6,500Kを8段階で調整できるとされています(BenQ公式仕様ページ)。

天板の上にライトの土台を置かないため、モニターアームや配線トレーと干渉しにくいのも二拠点ワーカーには使い勝手の良いポイントです。この「天板占有をどう避けるか」という論点は、モニターアームの後付けを扱った別記事「昇降デスク用モニターアーム、後付けで失敗しない選び方」の天板厚み問題とも通じます。

据え置きJIS AA形――広い範囲をしっかり照らすタイプ

JIS規格でデスクスタンドの照度を定めたA形・AA形のうち、AA形はより広い範囲を明るく照らす基準です。Panasonic SQ-LD560は公式サイトによると、このAA形の基準を満たし、7段階調光・2種類の色温度モード(パソコン向け5000K・文字くっきり向け約6200K)を切り替えられます(Panasonic公式製品ページ)。

据え置きの土台が必要な分、天板は多少占有しますが、折りたたんでコンパクトに収納できる設計になっており、拠点間の移動時に持ち運ぶ選択肢もゼロではありません。ただしコンセント給電が前提のため、基本は「拠点ごとに1台常設」する使い方に向きます。

折りたたみ充電式――1台を二拠点で使い回すタイプ

内蔵バッテリーで動く折りたたみ式のデスクライトは、コンセントの位置を気にせず設置でき、そのままバッグに入れて新幹線で運べるのが最大の利点です。楽天市場で見られる代表的な製品には、1,200mAh程度のバッテリーを内蔵し、色温度3,000〜6,000Kを無段階で調整できるタイプがあります。

一方で、こうした個人向け折りたたみ製品は演色性(Ra)やJIS規格、PSE(電気用品安全法に基づく安全マーク)の表記が製品ページに明記されていないケースが少なくありません。これは前述した「スペック表記の具体性」という観点で見ると、据え置き型の主要メーカー製品より判断材料が少ないということでもあります。購入前に販売ページでPSEマークの記載と保証期間を確認しておくと安心です(電気用品安全法の対象品目に該当するため)。

据え置き型のメリット
  • 演色性・JIS規格など根拠になる数値を明記したメーカー製品を選びやすい
  • 拠点ごとに光量を気にせず常設できる
据え置き型のデメリット
  • コンセント位置に設置が縛られる
  • 2拠点分そろえると初期費用がその分かかる

デスクライトを選ぶときの手順

  1. 今のデスクが「天板が狭い/モニターアームがある」かを確認し、モニター掛け式が使えるか見る
  2. 据え置きにする場合は、JIS規格(A形・AA形)や演色性(Ra)の記載があるメーカー製品を優先する
  3. 持ち運ぶ場合は、折りたたみ時の厚み・重量・バッテリー容量とPSE表記の有無を確認する
  4. 色温度は昼白色(5000K前後)を基準に、好みに応じて調整幅のある製品を選ぶ
こんな人におすすめ
  • 拠点ごとの部屋の明るさにばらつきがあり、夜間の作業がしんどいと感じている人
  • 天板を占有したくない・配線を増やしたくない人(モニター掛け式が候補)
  • 1台を東京・大阪で使い回したい荷物最小主義の人(折りたたみ充電式が候補)
向かない人
  • すでに天井照明やモニター輝度の調整で困っていない人(無理に追加投資する必要はありません)
  • 広い天板でA3サイズの資料を広げて作業することが多い人(据え置きAA形の方が向きます)

まとめ

デスクライトは、椅子やモニターに比べて後回しにされがちですが、二拠点で夜間の作業環境を安定させたいなら検討する価値のあるアイテムです。選び方の軸は「据え置きを拠点ごとに置くか、1台を持ち運ぶか」で、そのどちらを選ぶ場合も照度・演色性(Ra)・JIS規格・PSE表記といった数値の有無で製品の説明責任度を判断する、というのが私の考え方です。

天板のサイズや奥行きによってライトの置き方も変わってくるので、デスク本体のサイズ選びに迷っている方は「昇降デスク天板サイズ・奥行きの選び方」もあわせてご覧ください。

Photo by Huzaifa Tariq on Unsplash

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