東京と大阪、2つの拠点で仕事をするようになって最初に悩んだのが「椅子をどうするか」でした。
デスクや モニターは比較的安価な選択肢もありますが、椅子は座り心地が体調や作業効率に直結します。特に長時間のデスクワークが多いケンタのような二拠点ワーカーにとって、椅子の質は1日の集中力を左右する重要な投資先です。
私はもともと東京の拠点でゲーミングチェアを使っており、大阪に拠点ができたときに「同じものをもう1台買うか、それとも1台を運用でやりくりするか」で数ヶ月迷いました。
結論から言うと、私は東京と大阪のそれぞれに椅子を置く選択をしましたが、必ずしも同じゲーミングチェアを2台買う必要はないというのが今の考えです。この記事では、その判断に至った理由と、コストの内訳、移動を前提にした椅子選びの考え方を整理します。
ゲーミングチェアは持ち運び前提の家具ではありません。二拠点で快適に作業したいなら、両拠点に椅子は必須です。ただし2台とも同じ高価格帯のゲーミングチェアにする必要はなく、「メイン拠点は本気の椅子、サブ拠点はコストを抑えた椅子」という構成が二拠点ワーカーには現実的です。
ゲーミングチェアは持ち運べるのか
まず大前提として、ゲーミングチェアは新幹線移動を想定した「持ち運び」のジャンルには入りません。
一般的なゲーミングチェアの重量は20kg前後、梱包サイズも大型の段ボール1箱分になります。これは新幹線で集中して仕事するためのセッティングで紹介したような、カバンに入れて運ぶガジェットとは全く違うカテゴリです。
つまり「東京の椅子を大阪に持っていく」という発想自体が、二拠点ワーカーの現実的な選択肢にはなりません。
選べる道は実質的に次の2つです。
- 移動のたびに椅子を運ぶ手間がゼロ
- それぞれの拠点で自分の体に合った座り方が再現できる
- 初期コストは2倍かかる
- 初期コストを抑えられる
- サブ拠点の椅子のクオリティが落ちる
- 体への負担が拠点ごとに変わってしまう
私が最終的に選んだのは選択肢1ですが、その理由は単純な「お金に余裕があったから」ではありません。
私が両拠点に椅子を置くと決めた理由
二拠点生活を始めた当初は、両方の拠点に椅子がない状態でした。座布団の上で作業をしていたのですが、3時間ほどで限界が来て、立って歩きながら作業したり、寝そべってやったりすることもあるくらい、同じ姿勢を保てませんでした。当然、集中力もまったく続きませんでした。
この椅子なしの生活は半年ほど続きました。そのうち2ヶ月ほどは特に何もクッションがない状態が続き、腰痛のような症状が出てしまいました。今は椅子を導入してその症状も気にならなくなりましたが、当時は「まだ若いはずなのにこんなに限界が来るのか」と感じたほどです。
そんな中、片方の拠点にゲーミングチェアを導入したところ、状況が一変しました。疲れたら背もたれにもたれかかれる、高さ調節で姿勢を変えられる、休憩したいときに椅子から離れるだけで切り替えられる。座布団時代はベッドに寝転がるしかなかったのが、椅子だとオンオフの切り替えがしやすくなりました。
片方の拠点に椅子がある状態とない状態の差を実感したことで、もう片方の拠点にも椅子を入れることにしました。ゲーミングチェアを選んだのは、デスクワークにも向いていると言われており、自分でも調べた上で、コストパフォーマンスが良さそうなものを選んだからです。今はどちらの拠点に行っても椅子がある状態になり、腰の負担も集中力も大きく変わったと感じています。
このように、実際に「片方だけ良い椅子」の状態を経験したことで、椅子の差が二拠点生活の体調に直結することを実感しました。
IT企業の品質管理(QA)の仕事をしていると、「不具合は使い始めてすぐには出ない」という感覚が染みついています。椅子も同じで、座った瞬間の印象ではなく、数週間〜数ヶ月の蓄積で腰や肩への負担として表れてきます。
二拠点生活では「片方の拠点だけ快適」という状態が、もう片方の拠点での体調不良として後から現れやすい、というのが私の実感です。
同じ椅子を2台買う必要はない
両拠点に椅子を置くと決めても、「同じ高価格帯のゲーミングチェアを2台」は私はおすすめしません。
理由は単純にコストです。ゲーミングチェアは1台あたり3万円〜8万円程度の価格帯が中心で、2台揃えると初期投資としてはかなり大きな額になります。
そこで私が考えているのは、メイン拠点(在宅時間が長い方)には本気のゲーミングチェアを、サブ拠点(月1〜2回の滞在が中心)には価格を抑えたワークチェアやコンパクトなゲーミングチェアを置く、という構成です。
| 項目 | 本気のゲーミングチェア | 普及価格帯のゲーミングチェア | シンプルなワークチェア |
|---|---|---|---|
| 価格帯の目安 | 5万円〜8万円台 | 2万円〜4万円台 | 1万円〜3万円台 |
| リクライニング | フルフラット近くまで対応する製品が多い | 一定角度まで対応 | 非対応〜浅い角度 |
| ランバーサポート | 調整機構付きが多い | 固定式クッションが多い | 無し〜簡易的 |
| 組み立て・設置 | 大型・組み立てに時間がかかる | 同程度 | 比較的軽量で設置が楽 |
| 向く拠点 | 滞在時間が長いメイン拠点 | 月数回滞在のサブ拠点 | 短時間作業中心のサブ拠点 |
上記の価格帯・仕様は一般的なゲーミングチェア市場の傾向を整理したものです。製品ごとに仕様は異なるため、購入前に各メーカーの公式サイトで耐荷重・サイズ・保証条件を確認してください。
二拠点で椅子を選ぶときに見るべきポイント
二拠点で椅子を揃える場合、単体の座り心地だけでなく「設置・移動・部屋との相性」も考慮する必要があります。私がチェックしているポイントは次の3つです。
- 梱包サイズと組み立て難易度(一人で設置できるか)
- サイズ感と部屋の広さのバランス(東京の8畳・大阪の1LDKなど居住環境に合うか)
- 耐荷重とフレームの保証期間(長期使用に耐えるか)
特に「組み立て難易度」は、引っ越しや拠点の見直しが発生したときに地味に重要になります。
ゲーミングチェアは構造が複雑なため、分解・再組み立てを前提にした製品ではありません。一度設置したら基本的にはその拠点に固定する、という前提で選ぶのが現実的です。
椅子と一緒に考えたいデスク環境全体のコスト
椅子だけを単体で考えるより、デスク環境全体の予算の中でどう配分するかを考えると判断しやすくなります。
二拠点でデスク環境をどこまで揃えるかは、予算規模によって考え方が大きく変わります。この点については、デスク環境の初期費用をプラン別に整理した記事で別途詳しく書く予定です。
また、椅子と並んで「持ち運ばない据え置き型ガジェット」をどう二拠点に配分するかという視点は、東京・大阪 2拠点で働く私が買ったガジェット総まとめでも整理しています。椅子もこの「据え置き型」の代表例として位置づけられます。
この比較からも分かるように、「メイン拠点に投資を集中し、サブ拠点はシンプルにする」構成は、初期コストを抑えながら両拠点に椅子を置くという目的を達成できる選択肢です。
まとめ:椅子は両拠点に、価格帯は分けて考える
二拠点ワーカーがゲーミングチェアをどう扱うかについて、私の結論は次の通りです。
椅子は持ち運べる家具ではないため、両拠点それぞれに用意するのが基本です。一方で、同じ高価格帯の椅子を2台揃える必要はなく、滞在時間に応じて価格帯を変える方が無理のない投資になります。
- 東京・大阪どちらの拠点でも長時間のデスクワークがある人
- 椅子の質による体調の差を一度経験したことがある人
- 初期投資を抑えつつ両拠点の座り心地を確保したい人
- サブ拠点での滞在が短時間・低頻度で、既存の椅子で十分な人
- 近いうちに拠点を一つに統合する予定がある人(その場合は移動を見据えた構成の見直しが先)
椅子は一度設置すると数年単位で使い続ける家具です。二拠点生活を続ける前提であれば、早い段階で「両拠点に椅子をどう配分するか」を決めておくと、後からの買い直しコストを抑えられます。
Photo by Dennis Cortés on Unsplash

